| 著者 塩田丸男 /文春文庫 いまや死語となりつつある言葉からその背景を探ることにより、日本の社会構造、世相の変化を読み取ろうというのがこの本の意図するところでなかなか面白い。 ひとつのことばが死語となった、あるいは死語となりつつあるといっても何を基準に死語とみなすかというのは難しい。なぜなら、辞書にはいまだ載っているけれどほとんど使われなくなってしまった言葉とか、辞書から消えてしまったけれどいまだに人の口から出てくる言葉とか、この辺は著者が独自に判断しています。 (辞書とは「大辞林」「広辞苑」などの権威あるもの) この本によると「若いツバメ」、「びっくり水」などという言葉も死語となってしまったらしい。事実これらの言葉を知らない若い人がほとんどで、あるラジオ番組で司会者が「若いツバメを持っている方、いらっしゃたらお電話ください」と言ったら、隣にいた若いアシスタントの女性が「いまどきツバメの子供なんているかしら」と言ったという話、またある料理番組で若い新入社員(これまた女性だったと思う)に材料のリストを渡し、買い物を頼んだら、スーパーにはびっくり水なんて売っていないとべそをかいていたという面白い話も載っている。(これはディレクターが本番であわてないようにあらかじめコップにでも水を用意しておけという意味でリストの末尾に「びっくり水」と書いておいた) こんな調子で、その言葉の語源なども交えて、その背景となる世相の移り変わりがわかるのである。 ちなみにこの本によるところの死語となってしまった言葉をいくつか列挙すると 遊ばせ(ごめん遊ばせなどと言う)、駅弁大学、男まさり、苦学生、黒眼鏡、 ざぁます、細君、裁判沙汰、三角ベース、淑女、大黒柱、高枕、団地族、 地球の裏側、探偵小説、鉄建制裁、電気仕掛、成金、八頭身、馬糞、 BG(ビジネスガールのこと),日雇い、婦人、不良、ブルーフィルム、ふるちん、 無礼講、電話魔、判官びいき、闇汁、洋モク、進駐軍、父兄、大銀杏、大御所、 さかさくらげ、などなど、まだまだたくさんあります。 一応私の知っている言葉だけを主にピックアップしてみましたが、あなたはどれだけ知っていますか?この中に私はまだ使っている言葉がいくつかあるんですけど、やっぱり死語なんでしょうか、それともそれだけ歳を食った(いや、年輪を重ねたと言ってもらいたい)だけなんでしょうかね。 最後に この本は知り合いのM子さんにお借りしました。改めて御礼を申し上げます。 (実はまだお返ししていません。10月22日2002年現在) それでは、ごめん遊ばせ。 |